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◆神代之章

 軍師「羌大師」は、精霊の力を自らに宿し、その声の命ずるままに従って黄帝の春王朝建国を補佐した。
 そうして彼は、黄帝が春を打ち立てたのを見届けると、自らの役目はこれで終わったこと悟る。
 ある日、黄帝に願い出た。
「これからは道(タオ)を極め、世界の理を知るために、遺跡の奥へと篭って修行したい」
 黄帝はついに、これを許される。
 しかし、「おやめください」と人々は止める。これまで誰一人として、地下遺跡から帰ってこなかったのだ。
 が、羌大師の決意は固く、惜しまれながら遺跡に姿を消した。

――泰国雑記(成立年不明)


 陰が極まれば陽に変じ、陽が極まれば陰に変ず。
 陰が極まれば陽が生じ、陽が極まれば陰が生ず。
 ならば、その中間は何とするか。それが『万物の道』じゃ。
 世界は本来『空』と呼ばれる力に満ちておった。
 自らを空に近づけよ。
 それこそが、道を極めることに繋がるのじゃ。我が身のように。
 陰と陽はゆっくりと結合していき、世界はやがて、再び『空』となるであろう。
 また、それこそが『空の意志』でもある。
 全ては『空に還る』のだ。
 我が身のように。

――羌大師の言葉(開拓者報告 春1533年/天儀暦1013年)

▼羌(羌大師)
 遺跡の奥には羌大師と呼ばれる人物が待っていました。
 伝承によれば、彼は春王朝を建てた黄帝(春王朝初代天帝)を補佐した軍師であり、王朝の成立を見届けると、道を極めるために遺跡の奥へ降りていったと言われ、既に一千数百年が経過している筈でした。
 彼自身は思索の世界を目指した為か、書物などの形あるものは何一つ残してはいませんでした。
 彼は幾つかの重要と思われる言葉を遺したものの、その身体は、彼自身の言葉を借りるならば「空に還り」、風化して崩れ去りました。

【関連シナリオ】
 【泰動】尋求道・一巻
 【泰動】尋求道・二巻





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