≪応援メッセージ≫ 珠樹(ia8689)
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●珠樹(ia8689)さんのミニノベル 「あんた、私に何の用事?」 ふんっと鼻を鳴らし、腕を組んだ珠樹(ia8689)は、サンタクロース姿で冷たく相手を見つめる。 冷ややかな目線に、あんたと呼ばれた少年はおっかなびっくり。 いきなりの出来事だった。 一生懸命魔法の言葉だといわれるそれを唱える少年の前に、珠樹が降って湧いたのだ。 文字通り、本当に空から降ってきた。 もっと正確に言えば、相棒の駿龍・瀬々里の背から、上空より珠樹がタイミングを合わせて飛び降りたのだ。 雪煙が舞い上がり、長い緑のマフラーがなびいた。 「ふぅん。願い事をかなえろって? いいわ、さっさとつれていきなさい」 つんつんつんっ。 ぶっきらぼうで冷たい物言いに、少年はしどろもどろになりながらも願いを口にする。 もっとも、珠樹は既にその願いを知っていて、だからこそサンタクロースの服を身にまとってここにいるのだが。 少年には妹がいるのだ。 サンタクロースに会いたがっている妹が。 深夜に待つより、魔法の言葉で呼べると母親に聞いて、雪の中、少年は頑張った。 珠樹に依頼をしたのは母親だ。 (……それにしても、スカート短すぎない?) 珠樹は少年に気づかれないように、心の中でぽそっとつぶやく。 素材自体はあったかいのだが、珠樹の細く白い太ももが見事に露わ。 絶対領域が眩しすぎた。 珠樹は機嫌が悪かったわけではない。 この衣装を用意した相手にほんのり怒って、ほんのり、恥ずかしかったのだ。 でもとてもよく似合っている。 戸惑い気味の少年の手を繋ぎ、珠樹は少年の家へと歩き出した。 【おわり】 (執筆:霜月零) |