≪応援メッセージ≫ 悪来 ユガ(ia1076)&土蜘蛛 悪堕禍(ia2343)
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●悪来 ユガ(ia1076)さん&土蜘蛛 悪堕禍(ia2343)さんのミニノベル その姿を見たものは、なんと思うだろう? 赤い服と、大きな白い袋。 この時期にその姿を見れば、大抵の者はこう答えるだろう、『サンタクロース』と。 だが、彼女達二人を見て、そう答えれるものは少ない。 翁の面をかぶり、顔を隠した大柄な土蜘蛛 悪堕禍(ia2343)と、悪人顔ここにきわまれりの悪来 ユガ(ia1076)。 不適に浮かべた表情といい、立ち居振る舞いといい、盗賊にしか見えないのだ。 子供達へのプレゼントでいっぱいの白い袋も、彼女達が持てば盗品を詰めた袋のよう。 神社の屋根の上、雪が降り積もったその場所に、ユガはどかっと腰を下ろす。 「楽しそうでございますな」 月を背に、隣にたたずむ悪堕禍も楽しげだ。 表情は面で隠れていようとも、雰囲気で伝わってくる。 「あたぼうよぉ! こんな祭り、楽しまねぇ手があるか」 「子供達には泣かれましたが」 先ほど不幸にも彼女達を目にした子供が泣き出したのは、きっと仕方が無い事だったのだろう。 大の大人でも恐ろしいかもしれない。 もっとも、見た目や言葉遣いこそ粗野に見える彼女達だが、心根は優しい。 だからこそ、盗賊に間違われようとも、子供に泣かれようとも、沢山のプレゼントをこうして配っているのだから。 「気にするこたぁねぇ。どんどん配るぜぇ!」 バンと袋を叩き、ユガは豪快に笑った。 【おわり】 (執筆:霜月零) |