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新規西洋系クラスについて
騎士(ナイト)
■騎士(ナイト)
 騎士とは、天儀本島とは異なるジルベリア帝国にて発展した独特の精神と戦闘術を修めた者達である。
 彼等は何よりも「名誉」を重んじるという。
 騎士は己が仕える者に対して忠誠を誓い、己の名誉の為に剣を取る。騎士とは誉れ高き戦士であり、絶対的な忠誠を求めてきた歴代ジルベリア皇帝といえども、彼等の名誉を傷つけることはできない。
 その戦術は天儀や泰の理論とは一線を画し、回避を考慮に入れない、敵の攻撃に微塵も怯まぬ強靭さを求められる。また、彼等は帝国の有する宝珠兵器、アーマー(駆鎧)の装備を許されており、その為に必要な訓練も積んでいる。
・天儀と騎士
 騎士は、天儀においてもその地位に準ずるものとして、武士階級の一角を占めると考えられている。
 天儀には、宝珠技術者と交換される形で王朝に仕える事となった帝国貴族ストロガノフが、多田羅氏と婚姻関係を結んで立ち上げた氏族、「忘丘(ぼうきゅう)」を初めとするいくつかの騎士系氏族が存在し、天儀で直接騎士の修練を積める。
 比較的珍しい職業であるが、他の者と同様、武功による立身出世を目指すことも可能である。

魔術師(ウィザード) ■魔術師(ウィザード)
 魔術師の精霊術は、帝国によって滅ぼされた神教会の技術を源流とする。
 かつて、神教会は帝国と度々対立すること甚だしく、幾度と無く反乱の兵を挙げた結果、帝国は彼等神教会とその傘下にある宗教組織を帝国の敵と見做して禁教を発布した。
 帝国は彼等教会を武力で責め滅ぼす傍ら、魔法技術の回収と獲得再編に努め、宗教と分離させた新たな魔術として成立させた。宗教的な教義に捉われぬ技術体系は、幅広い魔術の習得を可能としているが、精霊に対する考察が他国に比べて遅れている他、身体的な戦闘技術では巫女以上に貧弱である。
 魔術師は、国立の王立魔法機関や天儀の各機関によって新たな技術を獲得する。高名な魔術師の中には、貴族として遇されて領地を与えられた者も珍しくない。
・天儀と魔術師
 天儀で魔術師を目指す者の選ぶ道は三つある。
 ひとつは、ジルベリアに渡って帝国へ忠誠を誓い、王立魔法機関に所属すること。ふたつめに、天儀に設置されている王立魔法機関・天儀出向所の門戸を叩くこと。最後に、天儀にて再興した神教会の元を訪れることである。
 ジルベリアにて帝国に忠誠を誓うか、天儀新教会の元で神への信仰心を持つか、そのどちらも避けたければ天儀出向所を訪れるのが普通である。

吟遊詩人(バード) ■吟遊詩人(バード)
 ベラリエースにおける吟遊詩人の歴史は古く、彼等は帝国が成立する遥か以前よりベラリエースに存在していたと言う。当時の吟遊詩人が如何な存在であったかは既に伝えられてはいないが、現代の彼等は、帝国からは目障りな存在と見做されている。
 帝国による統制の厳しいジルベリアは、束縛を嫌い、自由をこよなく愛する者にとっては生き難いことこの上ない土地であると言えよう。
 彼等吟遊詩人は楽団や師匠の下で感性を磨き、精神や過去を司る精霊と交感し、歌や音楽を通じて他者の魂を揺さ振り動かすことができる。彼等の旅の目的は、各地での新たな出会いや発見を通じて己の精神を高め、精霊とより高度に感応しあうことにあると言われている。


ジルベリア


■王立魔法機関
 ジルベリア首都ジェレゾに本部を構える魔術師の総本山。
 魔術の研究開発を行っている。ジルベリア魔術の源流と言える神教会の教義とは切り離されており、信仰に捉われない魔術開発が可能となっているが、その反面、過去との断絶により精霊に対する考察が遅れている。
 所属するには試験があり、研究に直接携わるには、この試験を突破して帝国よりの公認を得ねばならない。単に魔術を学ぶだけであれば試験は不要だが、反帝国的思想を持つと疑われると研究員になる事はおろか、学ぶこともできなくなる。


■王立魔法機関「天儀出向所」
 天儀、神楽の都に設置されている王立魔法機関の天儀出向所。
 天儀出身者も多勢出入りする施設で、天儀における精霊術や陰陽術の資料を収集して本国での新魔術の開発研究に役立てている。
 また、本国から離れている事もあり、本国ほど厳しくは運営されておらず、規律は比較的緩やか。本国で修練を積めなかった者や、天儀人でも魔術を学ぶことができる。


■無宗教/皇帝崇拝(騎士、魔術師)
 皇帝のみを絶対的な存在として認め、すべては技術や皇帝の力に拠るという考え。
 本当にそう考えている者は少ないだろうが、技術はすべて国家に管理されており、国家から修練を許可されなければ学ぶこともできない。
 精霊の力も、その力を如何にして活かすかにのみ注力されている。
 修練の伝播は極めてスムーズに行なわれるが、やや画一化されがち。


■神教会(魔術師、修道騎士)
 通称「教会」。かつてジルベリア人口の殆どが信仰していた宗教。
 およそ百年前、帝国に対する敵対的姿勢によって軍事制圧を招いて滅ぼされ、禁教令が布告された。
 その後も幾度か大規模な反乱を起こすが、全て失敗して壊滅。ジルベリアにおいて、その信仰は全面的に禁止されている
 習慣や法にまで関与していた以上完全に消え去った訳ではないが、教会奥深くに保存されていた聖典は既に焼失し、正統な教義は解らなくなっている。一般的には、唯一絶対なる神の御許に全ての民は平等であると考え、精霊を使役して世を善なる方向へ導く事を美徳と定める。
 現在は、一部の者が天儀に逃れて天儀神教会として再興させており、神楽の都にて相互扶助的な小さな教会を設置。組織としての規模は小さく、決して潤沢とは言えない寄付金で運営されている。
 魔術の修練を願う者に対しては、信仰を条件に広く門戸を開いている。



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