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■インフォメーション 完全無料制でお送りする特別イベント、是非お楽しみください! 当ページは随時更新してまいりますので、何卒定期的にご閲覧ください。 合戦は仮に他の依頼に参加していたとしても、誰でも、無料で参加できるイベントです。 数百キャラクターが参加し、描写されるこのイベントを是非お楽しみください。 ※行動入力はお陰様ですべて終了いたしました。 次回合戦にご期待ください。 ※MVPはプレイング、功績点、描写等を加味して総合的に判断されます。功績点下位からは選ばれませんが、必ずしも上位者が選ばれる訳ではありません。MVPは毎回1〜3名程度選出され、褒章品が贈呈されます。 |
開拓者長屋住人 劉 厳靖(リュウ・ゲンセイ)(ia2423) 「人間と同じ感じなら、行けそうだが。さて、うまく行くかねぇ」 縄を用いての脚払いという、原始的ながら効果の高かった奇策により。 ベストタイミングで用いられたその一計によって巨神機は転倒。 事実上、これを最後に、巨神機「ケニヒス」は戦闘不能となった。 その功績を称え、「帝国鉄騎士勲章」と「クリスタルサーベル」に加え、追加報酬三万文を支払うものとする |
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ツッコミ三人衆・烈 榊 志乃(サカキ・シノ)(ia0809) 「死力を尽くそう。情熱を以て、凍える身を奮わせ」 エヴノ率いる反乱軍本陣の動向を偵察し、退路を見極め、 最後の伏兵を成功させる為に重要な情報源を得た。 また、その報を伏兵へ伝えた働きにより、成功を確実なものとした。 その功績を称え、「帝国鉄騎士勲章」と「クリスタルサーベル」に加え、追加報酬三万文を支払うものとする |
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■オープニング コンラートと巨神機は、帝国軍の陣をズタズタに引き裂いた。その強力な戦闘力を前に帝国軍と開拓者は押しに押され、しかし、反乱軍の本陣が崩れた事で戦場の大勢は決した。 「エヴノが死んだのか‥‥」 メーメル城へ向かうその途上、コンラートは苦々しそうな表情を浮かべた。 後詰に入った後方部隊によって辛うじて脱出した反乱軍は、往路の勢いはどこへやら、兵数は出撃時の半分以下にまで減じ、多数の攻城兵器を奪われ、背後に帝国軍の圧力を受けながらメーメル城へ退却するしかなかったのだ。 「‥‥戦死か?」 「噂によれば、エヴノ殿は捕縛された後、乱戦の中で何者かによって殺されたと」 帝国軍の手によって処刑されたのではないのか、そう問い掛けるコンラートに対して、マチェクは首を振った。 「下手人は不明です」 「‥‥解った。下がれ」 「ハ。失礼します」 マチェクは小さく頭を下げ、自分の隊へと戻っていく。 そんな彼の隣へと、部下の傭兵が駆け寄ってきた。 「隊長、もう限界だ。騎士道精神だか何だか知らないが、あんなヤツに道連れにされるのはゴメンだ。陣を払おう」 歩くマチェクの隣で、傭兵の一人がまくし立てる。 が、聞こえているにも関わらず、マチェクは何ら答えない。 「‥‥」 「隊長!」 我慢できなくなって、つい声を荒げた。 その途端、ぐいと引き寄せられる。マチェクが傭兵の肩を抱いて顔を寄せていた。 「大声でやるな、バカ」 「すいません‥‥」 「それに。契約はまだ残ってる。契約中に逃げ出すようじゃ、傭兵として三流だな」 「まさか、奴らと一緒に死のうってんですか?」 「解ってる。面白くないよな、それも」 「だったら――」 反論しかけた傭兵の機先を制し、マチェクは言葉を続ける。 「一流の傭兵って、どんなのか知ってるか?」 「え? さぁ‥‥?」 「契約期限まで生き残った傭兵だよ」 軽く笑顔を見せて、マチェクは、ぽかんとする彼の背をばんと叩いた。 ●合流、移動 「おぉ〜! レナ様、これはこれは、ようこそおいで下さいました!」 居並ぶ兵士を蹴飛ばし、ハインリヒが駆け出した。 「また始まったよ、大将のゴマすりが」 「しっ、どやされるぞ」 陣幕へと歩いて行くハインリヒの背を眺め、兵士達は呆れたように溜息を付いた。 兵士達がじろっとハインリヒを睨むが、彼は何ら気にする風でもなく、へこへこと低姿勢でレナに接し、食事があるからと背を押す。 野戦で反乱軍を破った帝国軍は勢いに乗っていた。道中、集落や村を降伏させつつ反乱軍を追う彼等は、本国からの援軍であるレナらと一時合流した。戦力は150に至る騎兵隊と輜重車だ。 空を飛べぬ龍――草龍を中心とする騎兵隊は、作戦を打ち合わせた後、再び別れる。 東へと大きく迂回し、メーメル城の背後を牽制する為だ。 その為に補給用の輜重車も引き連れてきている。 上手くメーメル城の退路を断てれば、コンラートやロンバルールを捕える事も出来るかもしれないのだ。 「騎兵隊、前進」 結局レナは、食事に手も付けず、手短に作戦を打ち合わせると、騎兵隊を引き連れて一路メーメル城へと向かった。 「‥‥何だよ。俺のもてなしは無駄かよ。くそっ」 レナを送り出し、一人むくれた顔で腕を組むハインリヒ。 「あのおべっかは一生直らねんだろうなぁ」 「だなぁ‥‥」 ヒソヒソと声を交わす兵士達。 「何か言ったか!?」 ハインリヒが振り返り、大口を開けて怒鳴る。兵士達は、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 ●遭遇戦 レナ率いる別働隊がその報に接したのは、夕方だった。 「何、敵影とな?」 レナの隣に控えていた、初老の騎士が首を傾げた。 「はい。炊事の煙も上がっており、かなりの軍勢になります」 「‥‥数は?」 「目測で御座いますが‥‥少なくとも800」 「馬鹿な」 思わず、うめく。 偵察兵によれば、敵軍は柵や戸板を並べて野戦陣地を構築し、彼等の進軍ルート上に待ち構えていたと言う。 馬防柵には約100丁のマスケット銃が並び、炊事の煙が上がり、多数の兵が行き交っていたという。偵察兵が、経験から推察した限り、少なくとも800人。 多少の妨害は彼等とて予想していたが、しかしこれは、とにかく数が多い。 彼等騎兵隊は200、うち50は戦闘能力の無い輜重で、実質は150。それに開拓者を加えれば全戦力だ。相手はあれだけの痛手を被った筈なのに、800以上とは‥‥どこにそれだけの戦力が残っていたというのか。 「‥‥仕方ない。一戦を交えるしかないな」 溜息混じりに呟くレナ。 彼等は急いでの行軍を中止すると、直ちに戦闘準備に取り掛かった。 マチェクは樽の上に乗って一段高い位置にあがると、およそ三百人はいようかという兵達を前に、腕を組んだ。 「よし、集まったな」 居並ぶ傭兵部隊を前に、頷き、樽から飛び降りる。 「敵さんが戦闘準備を整えてこっちに向かっている。さっそく準備に取り掛かってくれ」 「‥‥あのう、本当にこんな事をしてて良いのですか?」 兵士たちの中から、立派な鎧を纏った老人が進み出る。 身成こそ、まるで貴族か将軍のようであるが、おどおどとしたその様子は、どこにでも居る年老いた農民以外の何者でもない。よく見れば、他の兵士達も、昨日今日始めて武器を握ったかのような様子で、不安そうな表情を浮かべている。 「あぁ、大丈夫だ。あんた等は言った通りに動いてくれれば良い」 けれどもと、互いに顔を見合わせる兵士達。 マチェクは天幕から引っ張り出された布の山を指差すと、悪戯っぽい笑顔を浮かべた。 「細かい作戦は、俺の部下達が改めて説明する」 「けども‥‥」 「ここで討ち死にさせる気は無いさ。大丈夫だ。安心しろ、俺だってまだ若い。そう簡単に死にたくないからな」 そこまで言い切られて、彼等の顔にもやっと笑顔が浮かんだ。 ●攻城戦 ちらちらと降り積もる雪。空には薄暗い雲が立ち込めていた。 「うーむ‥‥」 眼前に聳え立つメーメル城。 それとは別に、ハインリヒの目に映るのはメーメル城の城下町だ。 (面倒くせえが、仕方ねえか) 退避勧告は出した。今から六時間前だ。が、住民の殆どはまだ街に残っている。おおよそ1000人程になる。グレイスの要請で出した退避勧告だが、ハインリヒだって、何も無意味に殺して廻りたい訳ではない。 だが、逃げないのではどうしようもない、というのが彼なりの妥協点だ。 相手にはあの巨神機もある。手加減してどうにかなると言う程楽な相手とは思っていないのだ。 メーメル城の大広間は、重苦しい空気に包まれていた。 「‥‥どうしたのだ?」 首を傾げ、貴族達を見回すコンラート。 彼は、エヴノが討たれたと正直に語った。伝えられた内容をほぼそのまま、乱戦の中、何者かによって殺されたと。そうして、思いつきのように一言を付け加えたのだ。 その結果が、この空気の重さだった。 彼等は味方が討たれた事で意気消沈しているではない。コンラートが付け加えた一言に凍りついたのだ。 あの話が確かだとすると、味方による暗殺かもしれないな―― 彼は、ただ疑問に感じただけだ。 処刑もしないで死んだのであれば、その可能性もあるだろう、もし本当に裏切り者が居たとなれば嘆かわしい事だと、そう感じただけだった。が、その一言は、貴族達にとって想像以上に強く響いた。元々、帝国を裏切って反乱に加担した貴族達だ。 帝国に対する強い反感を抱いている者もいるが、それと同じくらいに、打算的に離反したものが居るのである。 「‥‥て、帝国の手によって殺されてしまったのでしょう」 誰かが、耐えられなくなって言葉を上げる。 貴族達は、そうだそうだと口々に賛成する。だが、本心からそう思っている訳ではない。そんな訳が無い。 「おぉ、コンラート様!」 大広間から出たコンラートを、兵士達が取り囲んだ。 「我々は負けるのですか?」 「神は我々を見放したもうたのでしょうか?」 遠巻きにおそるおそると、それでも、口々に不安を投げ掛ける兵士達。そんな彼等に、コンラートはちらりと不満げな表情を浮かべた。 出陣前と、明らかに眼が違う。 絶対の信頼を寄せていたその眼に、戸惑いの色が浮かんでいる。 「‥‥大丈夫だ! 我々には巨神機がある。負ける筈が無い」 それでも、コンラートはそう言うしかなかった。 「私は、暴虐な皇帝の打破を神に誓ったのだ。正義は我らにある!」 「‥‥」 「恐れるな。神は常に見ておられる」 一方的に、頑なに言い切って、背を向けるコンラート。 貴族達も彼の後ろに続いて大広間を出、それぞれの持ち場へと戻っていく。 コンラートは、何を恐れるなと言ったのか。敵か。それとも死をか。 ●コンラート・自室 「ついておらんようじゃな‥‥コンラート」 嵐の前の静けさとでも形容すべきか、物音ひとつ聞こえぬコンラートの部屋に低い‥‥空気すらもつぶしてしまいそうなほどの重い声が響く。 鍵をかけたはずの部屋に聞こえた声に、はっと我にかえり、かかえていた頭の上の手を解放するコンラート。 「ロンバルール殿。‥‥ついていないとはどういうことだ? ヴォルケイドラゴンが倒されたことか?」 声を取り繕い、ガチガチと鳴る歯をかみしめるコンラート。 遠目から見ても動揺を隠し切れない彼の様子に、老人は僅かに口元を緩めながら首を横に振る。 「違う。詰めにはガラドルフが来るかと思えば、レナなどという小物しか来なかったことだ。大物をこの戦で亡き者とし、我らの完全なる勝利を手に入れようとしたが‥‥なかなかうまくいかないものじゃな」 「!?」 老人の声に身を乗り出すコンラート。敗戦を覚悟していた最中に見えた光は、いかなる小さなものであろうと飛びついてしまう。 「今はケニヒスといったか‥‥あの巨神機において、混乱した本陣を突き、レナを倒すのだ。精神的支柱を失えば、帝国軍など一刻ともたずに崩壊する。‥‥巨神機と一体になるのだコンラート。真の騎士たるものは、自らの命で道を残す。‥‥天も我らに味方しておる。耳を澄ますのだ」 僅かに開いた空気穴を老人が指差すとコンラートは吸い込まれるようにその場所へ耳をつける。 風と共にかすかに聞こえたのは‥‥暗闇の中でも金に光るアヤカシのいななき声であった。 「そんな‥‥ことが」 空気穴から光を追い、その数と位置を確認して目を見開くコンラート。こんな短期間にアヤカシが、珍しい竜種が、都合よく敵軍の背後から現われることなど有り得るはずがない。あるいは‥‥ 「城はこのロンバルールが命にかえても守り抜こう。そしてケヒニスが勝利を掴むまでの道は天によってつくられる。‥‥さあ、勝利は目前じゃ。掴み取るのだ。コンラートよ‥‥」 コンラートに生まれた僅かな感情は、すべてを見透かしたような老人の声によって、夜の帳のなかへと消えていった。 (執筆 : 御神楽 みそか) |
■解説
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■NPCより
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