![]() ■飛空船 天儀において国家間を移動する最も一般的な手段、それが飛空船だ。 冥越を除く各国間には定期便が運行しており、ジルベリア、泰といった異国とも週に一、二回程度の往復運行が行なわれている他、商船も行き来し、人々の生活、交流には欠かせないものとなっている。しかしながら宝珠の希少性、コスト等の理由から大勢を一度に運ぶ事が出来ないため、今後の更なる発展を期待されているものでもあるのだ。 この飛空船の動力となる宝珠は、風や浮遊力を秘めたものであり、その数によって乗船可能人数・速度・設備などが様々に変化する。 各国間を運行する定期便としても利用されている中型船であれば二五名前後を乗船させる事が可能になり、その全長は三〇メートル前後。一〇〇メートルを超える大型船は各国も数多く所有している訳ではない非常に稀少なものだ。因みに世界最大と言われる興志王が所有する超大型船「赤光」の全長は約一六〇メートル、百名以上を乗船させられる超大型船である。 飛空船は、宝珠がどのように配置されているかによって「集中型」「分散型」両者の中間とも言うべき「折衷型」に分けられ、移動の折に船上での戦闘が予想されるか否かなどの事情によって使い分けられている。 大半の船にはグライダーが装備されており、これには小型の浮遊宝珠と風宝珠、それぞれ一つずつが使われている。中型以上の船では小回りが利かないため、着地困難な場所に降りなければならない時など、船に代わる移動手段としてとても重宝されている。故に甲板にはグライダーの発着口となるスペースも確保されているのだ。 これは開拓者が騎乗する龍の発着口にもなり、空路もアヤカシの脅威に晒される昨今では有効に活用されているという。 一方で小回りの利く小型船やグライダーは強風に弱い、長距離航行には向いていないなどの短所もあるため、船を選ぶ際にはこれらの点も充分に考慮しなければならないだろう。 宝珠の数を増減させることで速さに特化したもの、高度に特化したもの、中には攻撃力に特化させたりなど所有者によるカスタマイズも可能だが、先にも記した通り船に掛かるコストと、宝珠の希少性から、これまで独創性の強い船というのはあまり見られる事はなかった。 だが、いま。 天儀王朝は新大陸開拓を宣言し、開拓者を派遣する。 そこに必要不可欠な飛空船――新たなる大陸の発見は、空飛船の進化へと繋がるかもしれない――。 |
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■貸与可能船のスペック |
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快速小型船 全長:15m 全幅:4m 乗員:約10名 排水量:60t 積載量:6t 速度:時速30~40km 速力を重視した快速船。かなりの高速を発揮する。 ただし、宝珠が推力に偏っているので浮力が弱く、耐久性も低い。 船体の構造も破壊や火災に弱い構造になってしまっている。 |
装甲小型船 全長:17m 全幅:5m 乗員:約10名 排水量:100t 積載量:15t 速度:時速12~15km 激しい戦闘を想定した小型船。 船体各部を鉄板などで補強してあり、木材も火に強い材質が使われている。 この大きさで十分な装甲を施すのは若干無理があるようで、速力は著しく低い。 |
小型輸送船 全長:15m 全幅:6m 乗員:約10~20名 排水量:90t 積載量:30t 速度:時速15~25km 商利用されている輸送船を小改造したもの。積載力と速力のバランスが良い。 ただし戦闘行動は殆ど想定されていない為、耐久性は低い。 激しい戦闘に耐えうる船ではない。 |
中型船 全長:30m 全幅:8m 乗員:約20~30名 排水量:160t 積載量:40t 速度:時速20~25km 商利用されている中型飛空船に武装を施したもの。 全体的なバランスは良く、扱いやすい。貸与可能数は少なめ。 |
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■精霊砲 精霊砲とは、基部に設置された宝珠の力によって砲撃を行う大砲の総称である。 種別も、直射砲から曲射砲、固定型の大型砲から戦場で移動もできる小型砲まで千差万別。 一般的に言って、長い射程と高い破壊力を誇るものの、単体でかなりの重量になることもあって、個人単体で運用することは難しく、また、火薬は殆ど使用しないが、練力の充填に時間必要とされるため、次弾発射までに一定の間隔を必要とする。 そのシステムから志体などが運用すると自身の攻撃力を加えて砲撃をおこなう事が可能。 今回の作戦では開拓者に、船舶設置用の直射砲が、船舶の種類に応じて1~3基程度貸し出されている。 充填時間は約1分。有効射程はおよそ100~300m程度。距離が離れれば当然のことながら命中精度が低下する。榴弾を放つこともできるが、砲弾についている導火線で爆発のタイミングを調整せねばならないので運用は難しい。 ※左イラストは城砦設置用の大型砲 |