![]() ※注:このページには、今回のイベントと直接関係無い情報も含まれています。 ■獣人について 獣耳と尻尾を持ち、体の一部に獣のような身体的特徴を持つ人々の総称です。 絶対数が少なく、都会ではそこそこ見かけても天儀全体に広く分布している訳ではありませんので、地方に行けばやはり珍しがられます。 寿命は人間と同程度。 人間との間に子供を授かることも出来ますが、ほぼ半々でどちらか(獣人と人間)の特徴が強く出る傾向にあります。志体の生ずる可能性も人間とほぼ同じです。 天儀の獣人は神威人(神威族/カムイビト)、泰の獣人は猫族(ニャン)と呼ばれています。ジルベリア土着の獣人は存在せず、極々一部に、天儀や泰から渡ってきた獣人が生活している程度に留まります。 ■神威人(カムイビト) 天儀に住む獣人族です。 遭都の中に小さな領国を持っており、総人口の六〜七割はそこで暮らしています。 鎮守の森に囲まれた社を中心に小さな領地を持ち、周辺地域は最も魔の森の被害の少ない地域です。天儀王朝に従いつつも一定の自治権を与えられている事もあって、両者の関係は概ね良好。いずれかが露骨に差別、迫害されるような事はありません。 多くはのんびりとした田舎暮らしを好みますので、都会に出たがらない風潮があります。 彼等は身体的特徴についてとやかく言われるのを嫌い、ある程度はともかく、無遠慮な質問攻めにさらすと怒らせてしまう可能性があります。彼等は時として子供からのお触り攻撃から尻尾や耳を守らなければならず、それを警戒させる質問攻めにはほとほと嫌気が差しているためです。 清浄なる森とそこに生ずる精霊を尊び、古来より月を崇める風習を持ちます。 泰の獣人「猫族」について ■伝承 月の国「あるすてら」には、白い女神と黒い女神が住んでいた。 かつてのあるすてらは腐った大地に覆われていたが、二人の女神は力をあわせてこの土地を浄化して豊穣な大地へと作り変えた。 大地には、ケモノ、人、動物の三者が住まわされ、あるすてらを大いに繁栄させた。 二人は深い愛で結ばれていたが、神と言えども死には抗えなかった。 二人の力はやがて衰え、二人はケモノ、人、精霊の三者を呼び寄せると、この月の国にあるすてらという新たな名を与えて国を任せ、人目に付かぬどこかへ隠れ、ひっそりと息を引き取った。 残された彼等は互いに協力してこの豊穣な大地を守り、あるすてらの大地を色鮮やかな緑で彩り、平和と繁栄を長く謳歌した。 しかしやがて、この王国にも死の影が忍び寄ってきた。 ある時、急速に木々が枯れ始めたのである。 眼下の星より吹き付けられた死の風は、かつての腐敗とはまた違った形で大地を殺した。 大地からは生命力が奪われ、植物の全てを枯れ果てさせて、彼等は土地を追われた。 ケモノ、人、精霊の三者は生き残る為に月を捨てて旅に出た。 ケモノたちを乗せた船の一隻は月の国を後にし、門を潜り、階を降り、長きに渡って星々の波間をさ迷い、新たな大陸へ辿り着いた。 その土地には既に人々が暮らしていたが、ケモノ達は彼等爪無き人々と争ってこれを打ち破り、北へ向かって進むうち豊かな森を見つけた。 森には神が住んでいた。 神は我々をこの土地の主として認めると、自身は社の奥へと消えて神の国に渡り、二度と姿を見せなくなった。 我々このは森を、神の住む森と名付けた―― ‥‥神威人たちの間には、このようにして始まり、そしてその後も長く続く民間伝承が断片的に残されています。 神威人達は、この伝承は我々が月から来たことを示すものとして捉えていました。 一方で黒井奈那介の父は、これを、月そのものではなく、月に例えた別の国(別の儀)のことであると考えました。 彼は「遥か月から船で訪れ、現地の爪無き者達(人間)に打ち勝って豊かな森に移り住んだ」という結末で終わるこの伝承を基礎に研究を進めており、新たな儀に与えられた仮名「あるすてら」も、その他の荒唐無稽な主張も、こうした民間伝承をベースに組み上げられたものです。 体系化された神話らしきものはなく、前述の伝承にしても、黒井奈那介が様々な伝承を改めて繋ぎあわせたものです。 |