■難破船
難破船が漂着したのは、武天のうら寂れたとある砂浜でした。 第一発見者である漁民は慌てて村長へ報告し、上へ上へと順繰りに報告が続いたことからも示されるように、発見地は現行飛空船の航路に近いだけで田舎もよいところでした。 また、難破船の存在を重く見た武天は周囲一帯を閉鎖。 ギルドを通じて開拓者たちを雇い、接近する飛空船も周辺を迂回するよう警備に当たらせたり、あるいは積載物の調査を命ずることとなりました。 漂着したその船は、超大型に分類される飛空船です。 性能は現行の飛空船より劣りますが、一般的な大型船を越える大きさが認められます。朱藩の超大型船「赤光」よりも小さいと考えておけばちょうど良いでしょう。 船の内装、及び外装は天儀のそれよりもジルベリアやアル=カマルと近く、しかし長年の漂流によって著しく損傷しています。漂流年月はおよそ二、三百年ほどと見られ、内部の乗員はおしなべて白骨化し、耐久性の低い物品には一部風化しています。 一方、内部には大理石などを利用した彫刻や石版の他、衣類、楽器、芸術品といった文化的に関連するものが多く積載されており、また、船長室や書庫などから羊皮紙製の書物が多数回収されました。 これらの解読と調査を行えば、この船がどこから――どのような世界から――訪れたのかが解明できるであろうと期待されています。 このことを調べる為、以下の人物が関わっているようです。
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魔神と遺跡 嵐の門を開くにはまず排除せねばならぬ強敵がいます。 『魔神』と呼ばれるそれは、精霊門や嵐の門など、何らかの重要地点に配置され、アヤカシを含むあらゆる存在の接近を阻みます。 今回、新たに発せられた希儀へ至るには、当然ながら嵐の門を突破せねばならず、嵐の門があるのであれば、同様に魔神も待ち構えているものと見られます。 漂着船から回収された書には魔神「ふぇねくす」の名が記されていました。 この魔神は不死の性質を持ち、如何なる攻撃を受けても炎の中から復活すると伝えられます。 そこで開拓者ギルドは、不死身と伝えられる魔神と正面から戦う愚を避け、魔神封印手段を求めて東房のとある遺跡の探索を開始することとなりました。同遺跡は元は魔の森の中にあり、東房における近年の攻勢によって新たに拓かれた土地にあります。 (イラスト :五臓六腑) |
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■魔神「不死鳥」 新大陸へ至る嵐の門にはやはり魔神が存在するであろうこと、そして、難破船の資料からその名を「ふぇねくす」と呼ぶことが判明します。 朝廷が門外不出の伝承書をギルドへ貸与し、また、周辺領域を航行したことがある船乗りたちからの証言も統合すると、魔神「ふぇねくす」は燃え盛る鳥のような姿をしており、近寄る者を火炎を操って焼き尽くし、自身はいかなる攻撃を受けても炎と灰の中より蘇る不死の身体を持つと言われます。 ギルドはこれを魔神「不死鳥」と名づけると共に、封印手段の調査と準備に着手します。 (イラスト :青鷺鳥) |
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