WTRPGはオープニングの内容に沿ったプレイングを書く事で物語が展開します。 自らが行動を起こさなければ、物語は進みません。 逆に言えば、物語の結論はプレイングが書かれるまで決まっていないのです。 プレイヤーの分身であるPCが自ら動く事で物語が展開、幾通りにでも変化する‥‥これが、予め用意された道順を辿ってエンディングに至るゲームとの大きな違いです。 ここでは、WTRPGでの行動の起こし方、つまりプレイングの書き方を簡単に説明致します。 ■プレイングとは? まず始めにプレイングとは何なのかを簡単に説明します。 プレイングとは、キャラクターの「行動」「台詞」「心情」「方針」などを文章にして表したものです。 例えば「敵が出てきたら○○を守りながら牽制し、××が攻撃を仕掛ける隙を作るようにする」などといった具合にこれを表現します。その他に、こんな時にはこんな台詞を言わせたい、誰かに自分の気持ちを伝えたい、ということ主眼に書いてもよいでしょう。もちろん、現実的に不可能な事なども有りますが‥‥ 考えた文章(プレイング)は送信フォームに書き込んで送信する事によって完了した事になります。 ■オープニングとは? オープニングとは、参加できる依頼の、プレイヤーが参加するに至る経緯を描いた文章です。 この話の後に、プレイヤーが参加して作られた物語が続くことになります。 STEP1<オープニングを読む意味> オープニング文章にはそのシナリオにおける主題が盛り込まれています。 主題の内容は様々であり、明確な敵の存在が示されていることもあれば、それ以外にも様々な難題やその他の目的が記載されています。 殆どのオープニングにはどうすればシナリオを解決できるかが書かれていますから、オープニングを読むことでそのシナリオでどのような行動――プレイングを書けば良いのかが解ります。 主題から遠くかけ離れたプレイングでは依頼成功からも離れてしましますが、逆を言えばシナリオの要点を正確に把握していれば、単純にシナリオを成功させるだけでなく、自由な活躍の場を得られるということです。 その物語の中で自分のPCがどのような行動を取るか、オープニングを読みながらじっくり考えてみましょう。 STEP2<依頼の中でどんな行動を取るのか> オープニング文章を読んだら、自身のキャラクターが、何処で、何をしているかを想像してみましょう。 キャラクターに最も適した行動を考えるのです。戦闘に限らず、諜報やサポート、囮、盛り上げ役など、一つの依頼の中にも必要な役割がたくさんあります。自身のキャラクターの特徴を活かした、最も輝ける行動を考えてみましょう。 STEP3<参加者全員で楽しむ為に> WTRPGは大勢の人が参加するゲームであり、それゆえにマナーとルールが重要視されます。 ゲームに限らない話ですが、マナーを守らない人は他の人から「失礼な人」「一緒に遊んでも面白くない人」と思われてしまいます。 せっかく遊ぶのですから、相手を嫌な気分にさせてしまうような言動に気をつけ、お互いを尊重して楽しく遊びましょう。 STEP4<プレイングを書いてみよう> プレイングを書く上で重要なものは「動機」「目的」「手段」の三つです。 それぞれに自身のキャラクターを照らし合わせながら「このキャラクターはどういう動機でこの依頼に参加するだろう」「この依頼での目的はなんだろう」「その目的の為に、このキャラクターならどういう手段を考えるだろう」など、色々と想像を膨らませながらプレイングを考えてみて下さい。 キャラクターの「動機」、動機から導き出された「目的」、その目的を達成する為に必要な「手段」、この三つが明確になったプレイングが良質なプレイングと言えます。 ■下書きをしよう 想像がすんだらプレイングの下書きをしてみましょう。 いきなりフォームに入力する前に、テキストで書き出して見みましょう。 いきなりフォームに入力してしまうと、本当にやりたい事を書く前の説明で字数が一杯になったり、送信前に間違ってデータを消してしまうかもしれません。 一度書いたものを推敲し、簡潔で判りやすい文章になっているかを確認しましょう。 折角のプレイングが、言葉が足りずに誤解されてマスタリングされるのは、残念な事です。 ■プレイングアドバイス【基本編】 ここでは、基本的なプレイングの書き方を説明します。 プレイングに大事なものは『5W1H』なかでも『動機』『手段』『目的』です。 ●5W1H 5W1Hとは、『いつ(when)、どこで(where)、誰が(who)、何を(what)、何故(why)、どうするのか(how)』をあらわしています。文章の基本となる要素ですが、これがしっかり書き込まれていると、キャラクターがどう行動するのかがはっきりし、マスターにも意思を伝え易くなります。 プレイングの場合、誰がについては貴方のキャラクターなので省略しても構わない要素です。 ●動機 5W1Hの何故にあたる部分で、何故そういう行動をしようと思ったかです。キャラクターの行動のスタート地点に当たります。 動機は簡単な事でかまいません。ただ、現状とはあまりにかけ離れた動機だと、『はずれた』プレイングになりかねません。また、そのキャラクターの持ち味や、今置かれている立場などから、おのずと動機が決まる事もあるでしょう。 例:何事か困っている人を助けた理由は、 「困っている人たちを助けたい」「お金や名誉の為」‥‥などなど <動機の意味> 全く同じ事をするときでも、動機は人それぞれです。重い荷物を持っている人の荷物を持ってあげるという行動を、困っている人を助けたいからする人も、恩を売ってお礼を受けたいからする人も、荷物を奪うためにする人もいます。 動機が違えば、相手の行動に対する反応も変わりますし、選択が迫られた時選ぶ基準も変わります。 ●手段 5W1Hのいつ、どこでや何をにあたる部分で、どういう方法で何をするのかです。キャラクターの通るルートに当たります。 仲間と相談して一緒に行動したり、情報交換して誰がどんな行動をするのか考えたりなど、相談のしがいもあるでしょう。ただ、無理は禁物です。持っていない物を使おうとしたり、知らない知識を使おうとしていれば、手段が役に立たない事になります。 例:どうして困っているのか、酒でも勧め、時折冗談でも交えながら聞いてみて、 『俺でよければいつでも相談に乗ってやるぜ』と軽い調子で言う‥‥などなど <手段の意味> 全く同じ動機で同じ結果を目指すときでも、手段は人それぞれです。 重い荷物をもって困っている人を助けたいと思っている時に、荷物を自分が持ってあげるという方法も、2人で一緒に持つという方法も、近道を教えて楽にしてあげるという方法もあります。 手段が違えば、相手の対応も変わりますし、成功率や結果も変わってきます。 ●目的 5W1Hのどのようにに当たる部分で、行動する事で何を得たいのかです。キャラクターのゴールに当たります。 人によってその目的は様々です。行動の結果としてどうなって欲しいと望んでいるかを書きます。ある程度の予想のもと、希望的観測で書いてかまいません。マスタリング判断の基準となります。 例:話を聞いてやり、この界隈で流れていると思われる『○○に関するうわさ』を聞きだす‥‥などなど <目的の意味> 全く同じ動機で同じ手段を使ったときでも、目的=ゴール地点は人それぞれです。重い荷物で困っている人を助けるために荷物を持ってあげた時に、道が分かれるまでなのか、相手が回復するまでなのか、相手が目的地につくまでなのか。 目的が違えば、目的を達成する難しさも変わりますし、効果的な手段もかわってきます。 STEP6<台詞を考えてみよう> ある程度の行動などが決まったら台詞を考えましょう。 プレイングに台詞があるとマスター(行動を判定して物語を描く人)も話し方や性格を把握しやすいです。 例)役に立たないかもしれないけど頑張ります!と震える体を抑えて叫ぶ‥‥など。 STEP7<今の気持ちはどんなものかを考えよう> 全ての場面には『感情』があります。 楽しい場面・悲しい場面・怒りの場面、その場面ごとにキャラクターの心情が変わっていきます。動機・目的・手段全てに『心情』を組み込む事によって話は深みを増します。その依頼で起こるであろう様々なシーンを想像し、キャラクターの心情の変化も考えて見ましょう。 例)場の空気に気まずさを感じ、いつもはお喋りな彼が話す事も出来なかった‥など。 ■プレイングテンプレート 以上のポイントをまとめたものが、プレイングテンプレートとなります。 プレイング御書き方の参考になるように、典型的なプレイングの様式をまとめたものです。 <>の中にシナリオ毎の状況に合わせた単語を入れることで、一通りのプレイングとしてまとまるようになっています。 ・プレイングテンプレートの一例 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ※これらに書かれているテンプレートは、あくまで参考用のものです。 自分で一から書いた方が、納得の行く良いプレイングが作成できます。 【心情】 「<依頼にあたってのPCの心情台詞を記入>」 【目的】 依頼を解決する為、<解決に最も必要と思う部分>を目的として参加する。 依頼には<PCの個人的な目標>を目的に参加する。 【準備】 <警戒点>に備えて、<必要な作戦、装備など>を準備しておく。 作戦があれば事前に打ち合わせ、それに<協力・単独行動など>で応える。 【行動】 依頼中は<要点>を重視し、<各手段>で解決する。 <予測されるトラブル>には<装備や連携など>を駆使して対処する。 「<依頼中の台詞を一言>」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― プレイングを書くことに慣れるまでは、こうしたテンプレートを使うのもよいでしょう。 ■プレイングのポイント 1.マスターに誤解されないように書く プレイングが曖昧に書かれていると、マスターが想像で補わざるをえなくなります。 また、プレイングに矛盾などがあるとマスターは誤解して文章を受け取ってしまうかもしれません。 せっかく考えたプレイングですから、キャラクターが自分の思い描いた通りに動けるよう、プレイングを送る前に自分で矛盾がないか、解りにくい部分は無いかをチェックしましょう。 2.プレイングは簡潔に纏めよう あまりにも冗長すぎるプレイングは、却ってマスターに誤解を与える可能性があります。 キャラクター自身が何を目的にしているのかを明確に示し、やりたい行動にきちんと優先順位をつけ、プレイングに記入する行動は簡潔に絞るのがコツです。 また、シナリオには一緒に参加している仲間も大勢いますから、自分ひとりで何でもやってしまおうとせず、皆の得意分野で協力しあうのが良いでしょう。 ■プレイングのマナー 1.無意味な行動は極力避ける 物語の流れに逆らった無意味な行動で周囲に混乱を招くのは止めましょう。 その事が原因で依頼が失敗してしまったら非常に残念ですし、キャラクター自身も無念でしょう。 2.放送禁止用語や卑猥な話は避ける WTRPGはインターネットを通して大勢の人が参加するゲームです。 社会的な最低限の道徳は守ってください。18歳未満の方も参加していますし、色んな考えの人がいます。 一般的な社会マナーを意識してプレイングを書くようにしてください。 3.悪意ある行動の禁止 WTRPGの中では参加している人の数だけ考え方も存在します。 全てのキャラクターにはプレイヤーが存在します。今、あなたのPCと話している相手は、決してコンピューターが操作するNPCではないのです。 一人一人が貴方とは違う考えを持っており、中にはあなたと考え方の違う人もいるかもしれません。そりの合わない相手もいるかもしれません。 ですが、いくら気が合わないからといって悪意を振りまくのは良い事ではありません。周囲も省みないで喧嘩をしたり、隠れて根も葉もない悪口を言いふらしたりすることは相手を確実に傷つける行為です。 4.キャラクターとプレイヤーを区別する WTRPGは架空の世界で遊ぶネットゲームです。 ゲームの性質上、キャラクターのイメージがプレイヤーのイメージになりがちですが、キャラクターとプレイヤーは別なのだという事を頭に入れておきましょう。 たとえば、いつもは悪役ばかりをしているキャラクターがいたとします。だからと言ってプレイヤーも悪い人なのだという事はありません。ゲームを楽しむ上で悪役がいた方がいいと言うプレイヤーの考えであって、プレイヤー自身が悪役だという事は決してありません。 5.自分のキャラクターに責任を持つ 上記でキャラクターとプレイヤーは別物といいましたが、キャラクターの行動・発言は自分自身で行っているという事を忘れないで下さい。 もし不用意な言動で誰かを傷つけてしまったとき、「キャラクターが勝手に言った、私には関係ない」という態度は認められません。言い訳や無責任な態度はキャラクターの信用のみならず、あなた自身がプレイヤーとしての品位、信頼を失うこととなります。 また、例えば、シナリオを意図的に失敗させたとして、他の参加者から「なんでそんな事をしたんだ」と問い詰められた時も、「このキャラクターはそういう性格だから」などという態度も認められないでしょう。確かに、そのキャラクターの個性は大事であり、シナリオの中ではそう動くのが自然かもしれません。 しかし同時に、最初からそうなると解りきっていたのであれば、プレイヤー自身の責任を鑑みて、最初からシナリオに参加しないという選択肢もあったのです。 自分だけの大切なキャラクターの個性ですから、プレイヤー・マナーと上手に折り合いをつけるようにしましょう。 マナーを守って楽しく・快適に遊んで下さい。 6・プレイングにURLを貼り付けない※2013年5月28日 プレイングに外部URLを貼り付ける行為はやめましょう。 これは「プレイングは600字」というルールから逸脱して外部に詳細な補足情報を得るものだからです。 他のプレイヤーと同じ条件で競い、協力しあってこそのゲームです。 ルールを守って楽しく遊びましょう。 ※2013年10月4日追記 URLを直接貼り付け無い場合でも、プレイング外の参照を要求する物についてMSの確認義務はありません。 作戦掲示板、拠点掲示板、過去のリプレイ、ブログ、キャラコミュなどを参照しなければ分からないような書き方は避けるようにしましょう。 |