大陸が開拓の名のもとに発見され、
異文化の結びつきが数多く存在する天儀においては、
技術の進歩もそれまでの数百年が数ヶ月で経過するほど、めまぐるしい勢いで発展している。
ここでは天儀にて行なわれている産業技術のうち、特筆すべき事項について記述していく。

天儀において、技術の核となっている部分が、この宝珠である。 産出地は主に王朝が封を解いた遺跡の内部からであり、それ以外の部分においての産出は基本的にされない。 宝珠はかなり以前から盗掘によって若干量が流通しており、美しい光を放つ希少な宝石として取引されていたが、 王朝が遺跡の封を解き、宝珠及び加工技術の伝播を許容してから状況は一変する。 主に希少性によって決まる宝石としての価値は暴落したが、 王朝から伝えられた技術によって加工を施すことにより、 宝珠は装着されたものの強度を増したり、風を噴出したり、保持したものに特殊能力を与えたりと、 ありとあらゆる力を発揮するようになった。 技術は王朝及び各国が信頼する技術氏族のみに伝播されており、加工技術は厳重に管理されているが、 今や宝珠加工業は天儀各島において欠かすことのできない一大産業となっている。

		天儀における開拓時代の象徴ともいえる存在がこの飛空船である。 儀と儀の間が天空で隔てられており、またアヤカシの妨害も多いこの世界においては、 ある程度物資を搭載した状態かつ戦闘能力を有した状態で空を飛ぶということは、 交易などにおいて欠かすことのできない。事柄になっている。 飛空船とは、多数の浮遊宝珠と風の宝珠を使用することにより、 空中での航行を可能とした船舶のことを呼ぶ。 海上輸送もかねるため、一般的な船の形状やそれに近い姿をしているものが多い。

天儀において、銃などの火薬を用いた製品は、 精霊の力が発達していることから、特に必要性を見出すことができず長らく発展してこなかったが、 第二次大規模開拓計画によって、ジルベリア帝国と接触が持たれてから、 ジルベリアの進んだ銃文化と触れるにつれ、宝珠による強化が試みられるようになった。 現在の主流はマスケット銃（フリントロック式）であり、 １発発射するごとに、銃の先端から火薬と弾丸を込めなければならない。