天儀歴前　　1000年程	初のアヤカシが観測される？（伝承）
天儀歴前　　800年程	宝珠のはじめての発見？（伝承）
天儀歴前　　500年程	アヤカシと天儀との初の大規模な戦いがおこなわれる？（伝承）
天儀歴　　元年	王朝の歴史記述はじまる。（正史のはじまり）
天儀歴　　120年	魔の森が狗久津山にて観測。
天儀歴　　250年	魔の森、冥越国の1/4を覆う。アヤカシ掃討作戦がおこなわれるものの、成果を出せず失敗。
天儀歴　　300年	各地に魔の森の存在が確認されるようになる。
天儀歴　　450年	巫女、陰陽師、僧侶の超常能力を主動力とする、原始飛空「沙門（シャモン）」初の嵐の壁突破に挑戦する。突入直後、壁内部のアヤカシに襲われ連絡を絶つという最悪の結果となる。
天儀歴　　809年	開拓者による駿龍が泰国に到達？（伝承）
天儀歴　　834年	アヤカシの被害より一層拡大。冥越国が魔の森にのまれ、崩壊する。
天儀歴　　845年	人心極めて荒廃。遺跡内部への盗掘がおこなわれる。
天儀歴　　865年	宝珠加工技術が天儀王朝よりもたらされる。同時に遺跡の解放がおこなわれる。技術革新はじまる。
天儀歴　　868年	はじめての宝珠加工飛空船「ムラクモ」。王朝により開発。技術が広く流布される。
天儀歴　　872年	第一次大規模探索計画発令される。開拓時代が始まる。
天儀歴　　920年	第十二次作戦において嵐の壁突破。泰国との国交始まる。
天儀歴　　926年	第二次大規模探索計画発令される。
天儀歴　　950年	魔の森、東房及び理穴の国土を覆う。アヤカシの事件も頻発し、火急の対策が求められる。
天儀歴　　962年	開拓者ギルド、神楽の都にて全国王承認のもと始動する。以後、遺跡の管理も開拓者ギルドに委ねられることとなる。
天儀歴　　980年	第十一次作戦において嵐の壁突破に成功する。ジルベリア帝国との交流が始まる。
天儀歴　　1009年	第三次開拓計画発令される。
10月	理穴東部の魔の森、急激に拡大し、大アヤカシ「炎羅」指揮のもと敵軍緑茂の里へと迫る。 各国連合軍これと対決し、ついに大アヤカシを討ち取る。（緑茂の戦い）

一般的に「朝廷」や都の名前をとって遭都と呼ばれるこの王朝は、
精霊の代弁者として位置づけられた、各国を束ねる存在である。

ある歴史学者の言葉を借りれば、そもそも天儀とはここ百数十年の極めて新しい歴史帯をのぞいて朝廷の歴史であり、
（文字文化が相当古くから発明されていた天儀において、歴史書が朝廷記述のもの以外存在しなかったことを鑑みるにあたり、相当強固な歴史統制が行なわれていたことは予想されるが）
朝廷が記した歴史書においてのみ、その過去を知ることができる。

過去絶対的な権力を保持していたと思われる王朝であるが、
華やかな催しにより出費と、アヤカシの影響とによって力を徐々に失っていき、
各国の歴史書が朝廷の意向を無視する形で記されるようになった時、それは顕著となる。

ついには傘下におさめていた北面氏族への支払いにも窮することになり、北面の独立を許し、かつては属国であった石鏡とも距離を置かれるようになってしまう。
精霊の代弁者としての巫女や神官を各氏族に派遣する制度は未だもって続いているが、
かつての「監視役」や「集金役」としての立場はもはやなく、もっぱら技術伝播要員や精霊門の管理要員として見られている。

このように凋落著しい天儀王朝であるが、未だその内部は秘密に溢れているといって相違ない。
そもそも遭都宮内部は一部の解放区画を除いて一般の者は立ち入り禁止であり、内部で見知ったことも殆ど流出していない。
朝廷に挑戦的な行動をとっている巨勢王及びジルベリア王からしてもそれは同様であり、
宝珠や遺跡などの開拓時代を切り開いた王朝の姿を我々は垣間見る一方で、その成立過程を含めて、内部については余りにも知らない。